情報の即時性

先ほどの列車の遅れ情報にも繋がるところがありますが、情報がいかに伝えられるかということはいろいろな課題を持っています。

  • 正確な情報を今すぐ伝える
  • 時間はかかるが、正確な情報を伝える
  • 正確でない情報を今すぐに伝える

これが情報の伝え方の選択肢だと思います。もちろん「正確な情報を今すぐ伝える」ことが一番なわけですが、この選択が問題となるときは大抵、正確な情報が手に入らないときです。
一見としては、時間はかかるが、正確な情報を伝えることが重要と考えられることが多いです。これは、「間違った情報を利用した人に被害を与えてしまったらいけない、それは避けなければならない」という心理から来るものと思います。
しかし、この「時間はかかるが」という部分がくせ者です。どれだけの時間を指しているのでしょう?また、どの様な状況での時間なのでしょう?まさに今日の雪による列車の遅れ情報がそれでした。0
正確な情報を伝えるというために、30分ホームで待たされているお客さんからすれば「何か言ってくれ」という状況でしょう。心的な状況を考慮するならば「正確でない情報を今すぐ伝える」ことの方が必要であると思います。
これは全く違う分野である財務情報についても言えます。現在議論されているFASB財務報告概念報告書においても、信頼性(正確性)よりも適時性(即時性)が優先されるべきであるとの報告がされています*1

列車の遅れ情報でも財務報告でも根は同じだと思われますが、「正確でない情報を今すぐ伝える」ことにもやはり問題点があります。いかに即時性が大事とはいえ、その情報によって判断・行動を誤らせてしまったのでは、心理状態を改善したとしても結果的に問題が起きます。

それではどのようにするのがよいのでしょうか。
まず、テキトーな情報を伝えてしまうのは避けるべきです。その情報によって気分は和らぐかも知れませんし、情報を訂正していけばよいと考えるかも知れませんが、改訂された情報が次から次へと発信されることは利用者の混乱のもとなり、より結果が悪くなると思います。
私は、「現在では判断が付かない状態であることを伝える」こと、そしてある程度正確な情報が得られるまでそれを続けることがベストだと思います*2
人間、何も分からない状態というのが一番不安になるのでしょう。その点だけ解消してあげられれば、と思います。

この点は完全に駅員側の不手際と思っていますが、今日の列車遅れ情報の連絡は、正確な情報にこだわったわけではありませんが、「ダイヤが乱れまくったことによりどうしたらいいか分からず、対応がおろそかになってしまった」ということだと理解しています*3

そして、最後に「その言い方がこれまた難しい」。どのように言えば気を逆なでしないか。それを考える暇がなかったために、というのも理由として言い訳させてもらいます。。。

*1:ちなみにこのあたりが私の卒論のテーマw

*2:財務報告の場面では「その時の状況を」刻々と発信しているように感じられますが、あまりに確実でない情報は発信していないはずです。

*3:しかも駅にいる駅員の殆どがイベントのためのバイトという状態では…(オフレコね)